「どですかでん」_Posted at 00:03 


言わずと知れた黒澤初のカラー映画。
原作は「季節のない街」(山本周五郎)。
音楽は武満徹(!!)
どですかでん」とは
知恵遅れで周囲の子に「電車バカ」と揶揄されている
少年六ちゃんの「電車を運転する」時のオノマトペである。

六ちゃんの家は電車の絵で一杯である。
繊細とは言えず、使われている色も絵の具のチューブから
そのまま出した色で描かれた絵。
原色の持つ強烈なイメージは
彼の「空想」への執着を感じさせる。
廃車の男と少年は乞食をしながら空想の世界で
夢の「家」を建てている。
少年が病弱になると同時に家は完成に近づいていく。
平さんとそのおんな、と勝子と岡部、2組の男女の展開も
現実感がない。


現実感のなさ、
夢遊病者の住む町。
だからこの街には「季節がない」のか?