「路上観察学入門」_Posted at 16:20


今までに何度と無くこのブログに登場している、
建築文化論の参考文献。
赤瀬川原平を中心に「結成」(?)された
路上建築学会について書かれた本。

実際どのように
観察され、報告され、研究されていったかについては、
本書P231〜の「超芸術観測の実際」に
具体的に書かれているので参照されたい。
まぁわかりやすくいえば、
タモリの「坂道美学入門」みたいなことをしているわけです。

どんなに取るに足らない物事でも、
一見「その場しのぎ」のようなもったいつける言い回しで、
芸術になってしまう。
ハイレッド・センターのようなおばかなことをやれる人だから…
と言ってしまえばそれまでだが。

「四谷の純粋階段」「無用門」「阿部定電柱」などは
使いようのない無意味な物体である。
しかし、「学会員」は
近くから・遠くから・下から・上から眺めて
インスピレーションを働かせて形容する言葉を考えて
書かれた「報告書」を書いていく。
「物体」は「学会員」の言葉によって
ずうずうしさを兼ね備えた「存在」となる。
「物体」自体は「無」(=0)意味なのに
その言葉・表現自体が存在感を「誇示」する役割を担う。

どうであれ、いい年したおっさんが
集団でおばかをやらかす様は壮観である。