「私は障害者向けのデリヘル嬢」_Posted at 18:25

本屋を覗いたら
興味をそそられるタイトルの本を
見つけたので手に取ってみた。

去年(度)
障害者関係の授業を履修してから、
障害者と性について興味を持つようになった。
それは「こんな夜更けにバナナかよ」や
セックスボランティア」にも
言及されているのだけれども、
本書は
障害者と性風俗への
具体的な体験を綴った貴重な本だ。


ルポライターでない
一元風俗嬢が綴った回想録なので、
過去から現在にかけて彼女の思考や行動が
理路整然と記されているとは言えないが、
散漫とした文章から
「現場の声」が直に聴こえる第一線に
身を置いていたがために
未だに釈然とせずに混乱している
彼女の気持ちが
読んでいて痛切に伝わってきた。


残念ながら改善の兆しが見られない、
置き去りにされていた
障害者たちの性の現場。
彼(女)らたちは
性へアクセスするチャンスが
圧倒的に少ないだけでなく、
それを取り巻く環境
(使い勝手の良いラブホなど)も整っていない。
3大欲求のうち
性欲だけが野放しにされてきた現状をみるかぎり
すんなり改善するとはとても思えない。


今日も
身体に障害を負ってしまった人たちは
性欲と戦っている。
閉ざされたフレームの向こう側へと通じる
ドアをノックする
著者のような人間が存在すると
いうことを是非知って頂きたい。