学部再編_Posted at 23:54

大学が社会に果たす役割は、
できるだけ安価な授業料で
質のよい教育の場を提供することである。

私の所属する第2文学部は
この点ではまさに文句が無いほど、
ダントツの強みを持っていた。
(その話についてはここ参照。)

だが、
新学部設置に伴い
第2文学部は今年度で
入学募集を打ち切られた。
今日行われた大学側の説明は
・第1・2文学部双方で
複数領域的・学際的な研究を求める生徒と
伝統的で専門的な研究分野を志望する生徒が
内包されており学部の一貫性を保てなくなったこと
(特に第1文学部の人文及び文芸専修と他の専修)
・第2文学部における
「勤労学生」の割合が少なくなったこと
(夜間時間帯だけの受講で卒業する生徒の割合は
社会人学生で10%、一般学生で1%前後
→2部制はもはや時代に即していない)

以上の理由から
専門職の強い新設文学部と、
学際色の強い昼夜開講制の文化構想学部
(※2文の精神を引き継ぐ夜間社会人枠を設置)を
設置することとしたのだそうだ。
つまりは現行の2文生モデルの学生は
社会人からでしかなれないということになる。

特に文化構想学部の夜間枠に疑問視するのは、
果たして夜学を求めているのは
スーツを着た社会人だけだろうか?ということ。
在学中に自活するための費用を
または卒業後に授業料を払うために、
フレックスで働いている勤労学生も少なからずいるのだ。
確かに学生の規模の縮小などの側面から考えると、
夜学の役割は終えたのかもしれない。
だが、今回の学部改組は
早稲田の良き伝統であったはずの
安価な授業料と質のよい教育の場の提供から
かけ離れてしまうのではないかと危惧する。