『現代ドイツ-統一後の知的奇跡_Posted at 00:56


具体的な手続き上の問題は
横に置いておいて、
ドイツ人の
外国人に対する考え方は
昔から根強く残る
「ドイツ人」という名称に
依拠し閉鎖性を帯びた
民族血統主義と、
逆に
「何人もここで生まれたら
この国の国籍を取得できる」と
他民族を柔らかく包み込む属地主義がある。
未だに混在した形で存在しているが故に
相反する勢力が幾度も衝突し
歴史の度重なる上書きを余儀なくされている。


かつてドイツ建国の際に
国民の力を1つに結集するために
必要だった
「ドイツ人」という
排他的でエスニックな概念。
移民や旧東ドイツ人、ユダヤ人の問題は、
「過去からの遺産」を
一蹴出来なかったために
引き起こされた悲劇と言える。
緩やかな「国家連合」EUが
各国間のより一層の連携強化を
模索していく中、
過去の反省を踏まえつつ
そして
国家に属し
国民の絶対的同一性を持つことへの
こだわりを捨てられるか否かが
今後のドイツの
命運を握っていると思う。

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