『アンダーカレント』_Posted at 21:41


きっとこのundercurrent
に触発されたに違いない一作。

極端に言えば
本作ではこれといって何も起こらない。
…というのはもちろんデフォルメだけど、
この作者の描く目の力の無さをみるにつけ
そう思ってしまう。


静寂とゆっくりとした時間の流れの中で
かなえを中心に
登場人物たちそれぞれが
消えかかった縁を
ゆっくりとゆっくりと手繰っていく。

読み終えたとき
人によっては物足りなさを感じるのだろう。
けれども、
ストーリー云々よりも映像美を追求した映画が存在するように、
劇的なイベントが散りばめられずに淡々と進んでいく
ロードムービーが存在していいように、
本作は情景の見せ方とカット割りにうまさが光っていて
私はそれだけで満足だった。



漫画だから、
ただそれだけで
劇的な何かを期待してはいけない。