『千年の祈り』_Posted at 08:58


偽装結婚/同性愛/革命批判/宗教問題など
「タブー」に果敢に挑戦し
中国の「統制」を乗り越えようとする力は
本書が度々とりあげる
中国人にとって私たちとは誰か?
(『柿たち』『不滅』)
という問題を浮き上がらせ、
疾うに国民が
一枚岩ではなくなってしまっていた
過去の存在を指摘している。

矛盾だらけのダブルスタンダード
機能不全を起こしている、
その混乱の中において
中国(人)の良心とは
身代わりになり傷だらけになった
歴史の証人の中にあり
現代において
今にも雨が降りそうな曇天に
穿つ一筋の光のような存在なのだ。


彼ら彼女らは
「生まれる時代をまちがえた」のではない。
「生まれる場所を間違えた」のだ。
(P100『ネブラスカの姫君』)



問題はそれに集約されるはずだ。