「セックスワーカー」_Posted at 02:29

この本は10人のセックスワーカーの取材を
元に構成されている。

ところどころにちりばめられている老婆心とも思える小野の胸中。
主観を排して事実を淡々と書き綴っていくルポと言うよりも、
自分の視点・観点を中心にすえた
インタビューを題材にしたエッセイといえるかもしれない。
この本の中で
インタビュアーである小野の発言は(ダッシュもつかない)地の文で
おんなのこの話は「 」で括られている。
主観性を取り入れつつも
なるべく客観性を保とうとした努力の証であろう。
そのためだろうか、
まるで本人を目の前にしてかのようで
非常に読みやすくすっとそして私の中に入っていった。
小野と自分との
女性に対する眼差し・見方が似ているからかもしれないけど。(爆)

昔は離婚や多額の借金などの家庭の「特殊な」事情や
異常なほどの早熟であるが故の性への興味が
セックスワーカーになるきっかけであった。
20歳以上の処女・童貞が「ヤラハタ」と蔑まれている現状、
性交渉の低年齢化などをみると、
SEXに携わる仕事に就くかどうかは別の問題として
そういう可能性が誰にでもある時代になったことは
非常に興味深い。

なぜ風俗に関わることになったのか?
なぜ今も関わっているのか?
そういう疑問に
自然にそしてあっけらかんと答える彼女たちをみていると
自己表現の手段としてこの「お仕事」に就いているような
気がしてならない。

自分の存在を確かめるようにして、
「彼女たち」は今日も仕事に励む。