「演劇入門」_Posted at 23:19

顔も名前も知っていたが、
彼がどんな演劇を志し実践しているのか
漠然としか知らなかった。

彼は
複数人の台詞の重複など
とにかく「リアルな」演劇を
追求していることで有名であるが、
これはどの多くの演劇人も
同じような気がする。

当然ながら
肝心なのはどのように「リアル」かに拠る。
また、
舞台というのは制限の多い世界であるために
「舞台上のリアル」≠「現実世界のリアル」
であり、
そのビハインドをどう転覆させるかにも拠る。
それには役者・演出家・観客が
相反するコンテクストを擦り合わせる
作業が不可欠であると彼は説く。

コンテクストを
擦り合わせるという作業は
自己とは異質の他者を
目の当たりにしたときに、
相互を認めることにつながるのではないか?
よりふさわしい演劇での振舞い方を
模索し身につけることは、
舞台の外でもきっと有用なはずだ。

※本書における「コンテクスト」は
 元々の意味とは少し異なります。
 ぜひ本書を手にとって
 確認してみてください。