『バタフライエフェクト』_Posted at 09:43

記憶障害、
いわゆる“ブラックアウト”を頻繁に起こしてしまうため
リハビリの一環として日記主人公エヴァン。

殴打、気絶、喪失の反復。
キャパシティーを超えた
彼の障害は
忌まわしい過去との決別を
選択するが故に
起きてしまったように思える。

「今のオレ」と「昔のオレ」を繋ぐものは
彼にとって日記しかないのだが、
そこに記録された世界は
閉鎖的であり、
倒錯した価値観と心理的な抑圧、
そして病的な執着によって起こる
近親愛/(性的)暴行/幼児性愛で満ちた
開けてはならない「パンドラの箱」なのである。

ヒロインは「村社会」から脱出できずに
自分の境遇を
「腐っ」てしまったと呪っているが、
むしろ「囚われの身」になっているのは
エヴァンのほうであり、
この正常と倒錯/混乱を行き来しているところに
彼の病理の深刻さを物語っている。


最初は現実と空想が区別できていたけど、
最後の方になって
どっちがどっちだか
よくわかんなくなってしまった。
「囚われて」いるのは私の方か??
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