3/2【入院日記】_Posted at 23:23

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夜、
問題の「彼」(以後彼)が
奥さんを伴って帰ってきた。
深夜の大脱走劇は幕を閉じた。
今日こそ
静かな夜が約束されるのであろうか。


実は
昨夜から
彼の脱走について思いを巡らせていた。
彼の行動は
とても褒められたものではないが、
結局のところ
それなりの責任と覚悟があれば
何をしてもよい、
そう思ったから
昨夜きっと「脱走」を「見過ごした」のだ。
まして彼は病人でありこそすれ罪人ではない。

昨夜私が感じた
正義者然とした態度への嫌悪は
間違っていることの真反対側にある正しさを
主張することを無意識的に回避させた。
そういう態度は
無差別に標的に照準を合わせる
当たり屋のような
クレーマーを連想させ
実像と虚像がシンメトリーだと信じて疑わない
実に愚かしい。
彼等の殆どが
自己に過度な愛着を持っている。
換言するならば
自己の正当性を頑なに信じる態度であるが、
それは
本来愛着と一対になるべき
受苦の態度が欠けている。