『恋愛論』_Posted at 01:03

ジャケ買いならぬタイトル買い。


この著者のことを
よく知らんかったため、
読み進めていくと
著者がホモセクシャルであると
カミングアウトされ
面食らっちゃいました。

でも
ヘテロセクシャルな私も
感化される内容満載でしたよ。



恋愛未経験者は
それに付随する
諸々に対する憧憬というのが
少なからずあるわけで、
そういう人は別にして、
恋愛というのは
「自分に自信がある人」にしか
許されない営みなのだなってのが
この本を読んだ最初の感想。

さてここで
「自分に自信がある人」って
どんな人って話になるのだが、
これはちょっとむつかしい。
だったら
その逆の人間を考えてみれば
よいんじゃないかな。

では
「自分に自信がない人」とは
どんな人なのか。

「自分の無能を棚に上げて、
なんか超越した他人が
一挙にその自分の無能を救ってくれる」(p25)
と思ったり、
尊敬(畏敬)と恋愛感情を混同してしまい
「感動に対して
補償とか釣り合いというのを求める」(p29)
という人。

そういう人は
「人間というものは
自分と同質のものしか分かれない」(p134)
と理解できないから、
好きになった相手と
同じ土俵に立つだけの努力できるだけの
「成熟がない限り、
(その人には)
恋愛というのは無理」(p22)である。
にも拘らず、
「好きだ好きだ」と
「自分の愛情を(一方的に)
発散できる対象がほしい」(p127)って
しつこく言い放ったとしても
「それは
あなたの内部の問題で、
僕とは関係ない」(p38)って
相手にぶった切られるだけなのだ。
だから恋愛が成立しない。



それにしても
厄介なのが
「恋愛というものが
ありふれて存在して見える」(p15)くらい
「恋愛相手に出会えない、
[…]恋愛する理由も必要もない人」(P19)にも
恋愛至上万能主義が蔓延していること。

孤独に堪えていることは
それだけで
評価されてしかるべきことだ。
美しき独り者に惚れてしまうのだが
そう考えるのは異端?