「カーニヴァル化する社会」_Posted at 07:40

宮台の弟子とも称される、
若き社会学者鈴木氏の著書。

彼によると、
現代人は明確な理念や動機を欠いたまま
生きていかざるを得ない、
そのために
瞬間的な覚醒状態を
(無)自覚的に演出する(される)ことで
場当たり的なその場しのぎを
―「カーニヴァル」と呼ばれるハイテンションな自己啓発
をするのだそうだ。
その「空転する生」の実情を
本書では取り上げ論じている。

彼は
上記の内容を
BLOGやSNSにも絡め
以下のように指摘している。
『日常生活で分断されてしまった自己。
自らの手で「自我」像を
ネット上に記録蓄積・監視し
人から「覗かれる」ことで
「私」を補完するように再構成している。』と。
その指摘は
アイデンティティーが
脆弱化したために
自分のデーターをネット上に
蓄積して見せたがる現代人の姿を
浮き彫りにしているようで私には面白い。


指摘自体は斬新で面白いのだが、
根拠を提示する部分が
迂回しすぎてやや冗長な感がある。