「60分/\16000」_Posted at 23:53

本書は
1人の風俗嬢「はるか」が
ネット上に綴ったBLOGを
カキコと併記する形で書籍化した本。

BLOG本体のテキストと
カキコを併記したスタイルの本って
そんなに多くない気がする。
調べたわけではないから断定できないけど。


読んでいて一番思ったのは
BLOGのレスというのは難しいということ。
人の話を聴いて
気の利いた返答をするのと同じくらいにね。

名指しは避けるけど
何とも能天気なカキコをし続ける
「ネットの住人」が出てくる。
頼りないボキャボラリーとロジック,
底抜けのポジティブさで
毎日のように「はるか」を励まし続ける彼。
時に私が罪作りだと思ってしまうくらい。

当然至極のことを
陳腐な倫理観で立て続けに語っている
彼のテキストを
読んでいてしばしば食傷気味になった。


これはBLOG一般に言えることだと思うけど
批判的なカキコは
ちらほら目に付くことはあっても
継続はしない。
むしろ
書き手(はるか)に
好意的な感情を抱く人しか
「この場」に生き残らなくなる。
まるで辛辣な言動をする人を
黙殺されているのかのように。


はるかという主観的なアングルによって
再構成された「現実世界の断片」を
BLOGを覗く人々が
暗黙のうちに認めざるを得ない
強制的な空気でもあるのか…。
また、
BLOGという領域には
他者によって促される
反省(内省)的な視座は
存在し得ないのだろうか??

読んでいて様々な疑問が
浮かんでは消えていった。



今まで
AV嬢や風俗嬢の日記や体験記を
読んできたけど、
彼女が一番普通な印象を受ける。
一般的な風俗嬢の1つのサンプルを垣間見た。