『携帯メール小説』_Posted at 07:58

文芸誌「きらら」上に掲載された
携帯メール小説を収録した一冊。

どの作品も
500〜1000字で
現代版ショートショート
言ってもよいだろう。


掲載されている作品は
なかなか骨のあるものが多く
粗悪とされている
いわゆる「ケータイ」小説とは
一線を画していた。


紙面の都合上
あくまで
登場人物の説明に余計な文字を割けない。
そのために
奇妙な場面設定や物語の展開、
ラストのオチの出来が
そのまま物語の評価となる。


「直情的な心理描写のみを頼りにせず
客観的な事実を以って
感情を表現せしめよ」
これは
ショートショートの世界』 でも
触れられていた掌編小説の肝である。
『バトル』や『牛乳嫌い』など
この点をしっかり押さえていた秀作が多かった。